目的は公立中高一貫校に合格することではない。
はじめに
現在執筆中の自叙伝でも描かれますが、公立中高一貫校の話をしたいと思います。
今回の話は具体的な勉強方法ではなく、いきさつのようなものとなっております。
ブログの価値を高めることや、保護者向けの講習会等を行うためにも、今後は段階的に、幼少、小学生、中高一貫校の具体的な記事も書いていきたいと思います。
そもそも息子が公立中高一貫校の受検を決めたのは、小学4年生の時に行ったオープンスクールがきっかけでした。
幼い頃から目指したわけでも、小学校低学年から目標にしていたわけでもありません。
公立の中学から高校受験をするのがオーソドックスですので、私立も含め中高一貫校のことは名前を知ってる程度でした。
具体的なことは何も知りませんでしたが、適性検査対策を行っている塾の存在は知っていました。
と言うのも、知っている人も多いかと思いますが、四谷大塚がやっている全国統一小学生テストを受けていた塾がそこだったんです。
塾の保護者説明会
4年生の時でした。
息子が全国統一小学生テストを受けている間に、保護者向けの説明会があったので妻と二人で参加しました。
周りには多くの保護者がいましたが、父親は私だけです。
その説明会では、時代背景から今後求められる能力の変化、センター試験から共通テストに変わる話などがあり、その中に公立中高一貫校の話もありました。
聞けば、適性検査というものは、対策なしでは相当厳しいとのことでしたが、私はこう思ったのです。
【それなら何の問題もないな】
適性検査の問題を知っている人からすれば
「この人、何言ってるの?」とか
「甘く見ている」とか
「よく知りもしないで」とか
そのように感じる人もいるでしょうが、私からしたらその逆です。
「それなら何の問題もないな」
この感覚は、私がよく言う
「言われれば分かる」ではなく
【それ、もう何年も前から毎日やってることだから】
だったのです。
息子が6歳の時に言って聞かせた内容と塾の説明会での内容がほとんど同じだったんですよ。
適性検査とは?
適性検査は単一教科の問題として出題されるのではなく、国語・算数・理科・社会を組み合わせた問題が出題されます。
例えば、農作物の問題があるとしましょう。
問題は文章(言葉)で書かれ、表や絵、グラフなどの資料があり、そこには数字も書いてあります。
問いに対しては、まず文章を正確に読み、何が問われているのか?
何を求めるのか?
しっかり理解しなければなりません。
これには正確な読解が必要になり、表や絵、グラフなどの資料を基に、根拠を数字で示し答えにする。
簡単にまとめればこうなります。
【認識して、考えて、答える】
しかし、この工程をたどるには問題の設定を理解し、資料を読み取り、論理的に考え、相手に分かるように答案を作成する必要があります。
このような複合的な問題が多く出題されるのが適性検査の特徴です。
しかも、これには制限時間がありますから、素早く正確にやらなければいけません。
どうですか? これを見ただけでも
【専門的な解き方を教わらないと難しい】
と思わないですか?
思いますよね?
でも、これ、小学校で習ったもの以外は出ないんです。
早い話が、小学校で習ったものだけで十分なんですよ。
でも、難しいのに変わりはないですよね?
それはなぜか?
小学校では、授業でもテストでも、このような複合的な問題は出題しないからです。
ですから【自叙伝~貧困の連鎖~まとめ記事】でも言いましたが
一番の対策は
【小学校の6年間で全てを学ぶこと】
なんです。
これをすっ飛ばそうとするから、下地がないのに色だけ求めてもダメなんです。
私が息子とやってきたのは、模範解答を答えるのではなく、物事の本質を捉え、その場で持ってる知識をフル活用して試行錯誤しながらも答えを導く
【アドリブ】の効く力です。
この説明会で話を聞いた時、息子は10歳でした。
そうです。
私達親子は、すでに4年も前から説明会で聞いた話の内容を意識して毎日過ごしていたんです。
勉強する目的
公立中高一貫校の適性検査というものがどういうものなのかなんて知りませんでした。
この学校が求めている生徒像も知りませんでした。
でも、何の知識も情報もない時から、求められる力は理解していました。
これが何を意味しているか分かりますか?
そうです。
これこそ私が思う
【勉強の本質】なんです。
公立中高一貫校に行きたいから、そのために多くを学んできたのではありません。
日頃の学びは、自分が生きていくために必要な力を付けるための手段です。
その過程で身に付けた力が結果として公立中高一貫校の合格をもたらした。
私達親子と多くの人達との違いは
勉強する【目的】が違うのです。
学歴を求めた勉強もしていません。
希望する学校に合格したいから勉強しているのではありません。
自分が生き抜くため、可能性を広げ選択肢を増やすために勉強をしているのです。
私の教育方針と学校(社会)が求めている教育方針の根本が同じなら
塾は必要ないというのが私の結論でした。
もちろん経済的な余裕がないので、行かせるという選択もありません。
でも、それは子どもが生まれたときから分かっていたこと。
だから、自分の経験を世の中で生きていくために必要な力に変えてきたのです。